地球の気温が上がっているために、北極の氷が解けてホッキョクグマやアザラシの生息域が狭くなっていることは世界中で大きな問題となっていますよね。
地球が温かくなるという現象は、地球の歴史上何度か起こっていたもので、11年周期で変動する太陽の活動に合わせて地球の気温も変化してきたのです。しかし、現在の気温上昇はどうも今までのものとは違うという意見が多いようです。自然に起こるも気候変化に人間が作り出した原因が重なり合い、今までに地球が経験したことのない気候を作り出しているのかもしれません。
日本国内でも、真夏日の日数が増えたり最高気温の最高記録が記録されたり、と年々暑くなっていると思いませんか? 実は地球が誕生してから今までの間に、気温の低い氷河期と温暖な間氷期を繰り返してきました。ですから、現在の温暖化は地球の自然な気候変化であり、人間の温室効果ガスの影響が原因ではないという研究者もいます。しかし、ここ数百年間に起こった急激な気温上昇は、地球誕生以来いとども見られなかった急激な変化なのです。この急激な変化は自然現象だけが原因とは考えにくく、やはり産業革命以来私たち人類が使い続けてきた大量のエネルギーと、排出した温室効果ガスの影響がある考とえられます。
火山列島とも呼ばれる日本ですが、火山活動が起こると火山灰によって上空に酸性物質が長期間漂います。これらはエアゾルと呼ばれる細かいちりを含んだ空気ですが、エアゾルは太陽光線からの熱を吸収し、一時的に気温が低くなる部分と吸収した熱によって急激に気温が上がるという現象が起こります。この温度差によって周辺の気候のバランスやリズムは崩れてしまうため、異常気象が起こりやすくなります。火山灰には、多くの温室効果物質が含まれているため、火山活動が活発になると地球の平均気温も上昇する傾向にあると考えられます
太陽から地球へ降り注ぐ光線の量は、常に一定になっているわけではありません。太陽の活動は常に変化し続けているため、その変化によって太陽光線の照射量も変化し、あわせて地球の気候や気温も変動します。太陽に見られる黒い点「黒点」が、少ない期間には太陽の活動は活発でなくなっているため、地球全体の熱量が少なくなります。黒点数が少なく、太陽活動が止まったかのように少なくなった1700年代には、世界各国で冷夏や寒冬が続きました。この期間は、小氷河期とも呼ばれ、イギリスを流れている川が凍りついてしまったことでも有名です。同じ頃の日本では、江戸を流れる川に鮭が登ってきていてそれを追ってトドも現れることがあったそうです。シャケやトドが見られるほど、江戸の気温も小氷河期の影響を受けていたのかもしれません。
氷が解けているといわれる北極はあまりにも遠く、いまいちピンとこない人も多いかもしれません。北極の氷が溶けるとどうなるのか?ホッキョクグマやアザラシの生息域が減る、海面水位が上昇するといった問題がありますが、実は北極の氷の面積が小さくなることでも温暖化は促進されているのです。
北極や南極の氷は白いですよね。白い色には、光を反射する効果があります。ですから、北極の分厚い氷は、宇宙からの紫外線や赤外線を跳ね返す働きもしているため、氷が多い北極や南極は赤道に比べて熱量が少ない地域なのです。
ですから、気温が上昇し、氷の面積が少なくなるということは、跳ね返す熱と太陽光線の量が減ってしまうため、熱が入り込みやすい状態にしてしまうということなのです。異常気象によって消えている氷河も同じかもしれません。
地球の平均気温は、太陽活動の周期と同調するように変化しています。そうなると「人為的な原因が加わらなくても今と同じような温暖化は起こるのではないか」という疑問が浮かびます。
現在までに観測しているデータや過去の推測などから、産業革命後に急増した温室効果ガスや森林伐採が行われなかった場合の温度変化を推測してみても、やはり気温は上昇しています。
ただ、現在ほど急激な温度変化になることは様々なデータから検証しても考えられないそうです。