産業革命により大量のエネルギーを生み出すために様々な燃料を使用するようになり、同時に大気汚染などの様々な環境問題をも生み出しました。
こういった大気汚染の始まりは、生活を豊かにしてくれた産業革命がもたらした嬉しくない産物の一つといえます。
産業革命後から大量に使用された石炭や石油などの化石燃料は、二酸化窒素を大量に排出し、多くの人の健康に影響を与えました。時代が進むと共に、工場で使用される燃料や薬品・金属などの種類も増え、排出される煤煙の量も急増していきました。
排出される物質の中には、二酸化炭素、窒素、フロン、メタンなど温室効果の高いものが多く、人体への影響の他に、地球温暖化をも急激に進行させることになっています。そのため、日本でも大気汚染防止法により、焼却炉の使用規制やゴミの分別処理、焼却場の設備などの対策がとられていますが、自分の敷地内などで不法にゴミを焼却する人も多く、大気汚染対策の大きな問題点になっています。
産業革命によって人類の産業は画期的な発展を遂げましたが、工場から出る煤煙(ばいえん)によって大気汚染も深刻さを増しました。特に大きな問題となった、イギリスの「ロンドン・スモッグ事件」で煤煙の煙をあらわす「スモーク」と霧をあらわす「フロッグ」を使った「スモッグ」という造語が始めて使われるようになりました。
現在では都市部に集中する公害物質と紫外線の光化学反応による、光化学スモッグの影響が大きな問題になっていて、発生時には注意報や警報も出されています。人体への影響も多いため、光化学スモッグへの対策も子育をする地域選びの重要なポイントになっているようです。
酸性雨は、硬いブロンズ像や屋根の塗料をも溶け出させてしまうものですから、もちろん人間の身体にも影響があります。昔は雨で濡れてしまっても風邪の心配くらいしかしなくてよかったのでしょうが、現在ではハゲる、肌が荒れる、など様々なダメージが増えていますよね。酸性雨はスモッグと同様、工場や車の排気ガスに含まれる大気汚染物質が、原因になっていますし、温室効果ガスも含んでいます。
国や地域でも温室効果ガスの排出削減に取り組んでいますが、大気に国境や境目はありません。そのため、中国での対策遅れよる日本への影響など、対策を行っていない周辺地域からの越境大気汚染が各地で問題になっています。
増え続けるゴミを焼却するときに発生する有毒物質で、身体のバランスを乱す環境ホルモンの一つです。自然の草や木が燃えるときには発生しませんが、塩素を含む化学工業製品を800度以下で燃焼すると発生します。
ダイオキシンは、ごみ焼却時に出るというイメージが強いので、焼却場の近くに住んでいなければ大丈夫だと思っていませんか?
しかし、一度発生したダイオキシンは、空気中に細かい粒子として漂い雨や雪に含まれて川から土壌や海も汚染していきます。そのため、汚染された土壌や水にすむ魚や動物、植物の体内にもとりこまれ、分解される事も無く濃縮していき、やがて食料として人間の体内へも取り込まれることになります。
数年前まで冷蔵庫や車の冷却剤、発砲剤、スプレーなどの噴霧剤などに使われてきましたが、温室効果が高く分解されずに成層圏に留まり、オゾン層を分解してしまうオゾン層破壊物質のひとつです。
オゾン層は、太陽光線に含まれる有害な紫外線を防ぐ役割りをしていますが、現在では穴(オゾンホール)ができてしまい、紫外線が直接降り注いでいる地域もあります。これ以上オゾンホールが拡大することを送球に防ぐ必要があることから、「オゾン層保護のためのウィーン条約」によって、日本でも使用や輸入の禁止が定められています。
しかし、古い電化製品の内部にはまだフロンが残っているものも沢山あるため、リサイクル法などに従って正しく処理するようにしましょう。どんなものに使われているかわかりにくい場合には、自治体などに問い合わせるのが自分で出来る大気汚染対策の第一歩にもなります。