地下に埋まった樹木や動植物などが長い年月をかけて地下で化石化したものが、石炭や石油などの化石燃料です。
化石化といっても、恐竜の骨の化石のようにカルシウムがケイ素などに置換されたものではありません。動植物を構成している有機物が、河川や海などの底にドロと一緒に埋まり、圧縮されることで分解されてケロジェンという高分子の化合物になります。これが長い時間かけて、水分と油分・ガスやガスに変化したものが、石油や石炭・天然ガスなどと化石燃料になります。
石炭や石油などの化石燃料は、私たちの生活に必要なエネルギーを作り出すための重要な資源として使われてきました。しかし、大昔の動植物のしがいが長期間かかって変化した地下資源には限りがあります。専門機関の調査によると、地球全体の石炭埋蔵量は9800億t、石油の埋蔵量は11500億tと推定されています。
世界中の国々がこのままのペースで使い続けると、数十年ほどで地下資源のほとんどを使い果たして枯渇しまうと言われています。そのため、温暖化防止の面からも限りある地下資源に頼るのではなく、環境に優しい新しいエネルギー資源に切り替えていることが重要なのです。
最近注目されているメタンハイドレートも、石油や石炭、天然ガスなどと同じように出来た天然ガス、地下資源物質のひとつです。メタンハイドレードは現在まで地下資源としてあまり利用されていませんでした。
メタンハイドレートは、永久凍土や深海底などに埋蔵されていることがわかっていますが、地球全体の埋蔵量がどのくらいあるのかははっきりとわかっていません。
引火しやすく熱を吸収する性質を持ったメタンガスを燃料として利用するための研究が行われていますが、そのまま大気中に放出してしまうと大量のメタンガスが排出されることになるため地球温暖化を進行させてしまうかもしれません。
また、メタンハイドレートが埋まっている地域の永久凍土や氷河が温暖化の影響によって溶け出し、自然に大気中に放出されている箇所が多く見つかっています。
化石燃料に変わる次世代の燃料資源として開発・研究が進んでいるのが、バイオ燃料やバイオマスエネルギーと呼ばれているものです。これは、現在利用されていないゴミなどの有機物を再利用してメタンガスなどを作り出し資源として使うものや、小麦やトウモロコシなどの作物から取り出したバイオエタノールなどがあり、温室効果ガスの排出量が少ないのが特徴です。
これらは、そのままでも石油や石炭と同じようなエネルギー資源として利用することが出来ますし、発電を行う事もできます。
環境に優しく枯渇の心配が内新たなエネルギー資源として注目されているバイオエネルギーは、ハイブリッドカーや電気自動車などのエコカーの燃料としても研究されています。
バイオ燃料資源の安定供給が出来るようになれば、二酸化炭素の排出量が大きいガソリン車は、CO2の排出量がより少ないバイオ燃料を使ったものに変わるかもしれません。しかし、バイオエネルギー資源には原料となる作物が大量に必要なため、新たな農作地を作るために森林伐採を行ったり、家畜の糞尿から引火しやすいメタンガスを安全に取り出すシステムの開発など、まだまだ問題や課題が多いのが現状です。