猛暑や異常気象による熱波、夏の最高気温の記録更新など、ここ数年、毎年のようにニュースで流れていると思いませんか?
人口が集中する都市部では、温暖化の影響にもよりヒートアイランド現象が起きているのです。
地球全体が温かくなっていますが、特に大都市に熱がこもってしまうという状態が続いています。日本全体の平均気温は、明治時代頃に比べて1℃程上がっています。しかし、東京や名古屋などの大都市では、3℃以上平均気温が高くなっているのです。
記録的な猛暑といわれる日も、日中で36度だったものが、ここ数年では太陽が隠れる夜でさえ40℃を超える熱帯夜になることがあります。これも昼間の熱が夜になっても発散されず、蓄積されてしまっていることがわかりますよね。
ビルやコンクリートの建物が密集して、アスファルトで固められた大都市は、熱を逃がすための空間の少ない、機密性の高い作りになっています。また、隅々まで整備されたアスファルトの道路は、土と違い熱を長時間溜め込むという特徴がありますから、夜になっても地面からの熱が空気を温め続けます。さらに、機密性の高い建物は自然に温度調節の温度調節機能が働きませんので、強力な冷暖房に大量のエネルギーを使います。
流通の拠点ともなっている都市部には、常に車が沢山走り、排気ガスと熱を持ち込んでいます。熱を溜め込み逃がしにくい環境のメカニズムが、ヒートアイランドを作り出しているのです。
熱射病にかかる人が続出する都会の夏でも、オフィスやデパート、電車の中では寒く感じるほど冷房がかかっていると思いませんか?
人が集まる場所では、暑さを解消するために冷房設備が欠かせなくなっています。しかし、冷暖房にかかるエネルギーは莫大な熱を生み出します。こうして自ら熱を作り、溜め込んでしまう悪循環に加え、こうして生み出されるエネルギーは大量の温室効果ガスの発生源でもあります。
こうして、ヒートアイランド現象は、都市だけではなく地球全体の温暖化も促進させる悪循環を生み出しています。
コンクリートやアスファルトだらけの都会では、ヒートアイランド現象だけでなく、様々な現象が起こっています。例えば、花粉症がよりひどく現れるのは、花粉が吸収されにくいアスファルトだらけの都心部です。
また、温暖化による異常気象で大雨にみまわれると、下水に頼るしか排水機能のない大都市では、地下鉄や地下街に浸水して大きなダメージを受けます。
最近は、こういった都市型の水害などに備えて排水設備も整えられていますが、人工的に作られた場所には、これからも様々な影響が現れるといわれています。
クーラーだけでなく、冬場のストーブやヒーターもヒートアイランド現象や温暖化の原因になっています。冷房だけでなく、エネルギーを大量消費する冷暖房設備の温度を出来るだけ過剰に使用しない工夫が、熱いときには薄着、寒いときには厚着、というクールビズ・ウォームビズの促進です。
特に冷房は、夏場でも長袖のスーツを着用しているサラリーマンにあわせて低めに設定されることが多くありました。
最近では、温暖化対策への取り組みを行っている会社や企業で、次々と導入されている対策の一つです。政府の対策としても大々的に促進されていますが、本当は当たり前のことなんですよね。
熱を逃がし、少しでも温室効果ガスを減らす対策として、ビルの屋上や小さなスペースを利用して植物を植える運動が進められています。
ビルの上に様々な木や植物を植える屋上緑化は、スペースを有効利用した都会の熱を逃がすための対策といえます。一つ一つは小さく、簡単に温暖化や都会の熱を取り除くだけの力はありませんが、屋上庭園へ行ってみると都会の中なのにかなり涼しいことがわかります。
樹や土がある場所には自然の温度調節機能が働くことを感じることが出来れば、一人ひとりの意識も変わってくるかもしれません。水をたっぷりと吸い上げて溜め込む力のある植物ほど、熱を発散させる効果も高く、みずみずしい植物を見ていると気持もリラックスできますよね。
家の中には、家族が快適に過ごすための様々な設備がそろっています。だからといって、誰もいないところでテレビだけがにぎやかについていたり、用も無いのに冷蔵庫を開けっ放しにしたり、水を流しっぱなしにしたりしていませんか?
普段なにげなく行っているこういった行動も、エネルギーを消費し熱を生み出すことになります。
例えば、温かいご飯を短時間で冷やすのに、うちわで冷えるまで扇ぎ続けると汗をかきますよね。これが冷蔵庫だとしたら、どれだけ熱を生み出すことになるのでしょう?そう考えてみると、私たちの身の回りで使われているエネルギーの量が多いことがわかりますよね。
もう一度、自分が使っているエネルギーに無駄が無いか考えて見ましょう!
冷房と暖房の推奨温度がこんなにも違うのは不思議ですよね。実は、エアコンの機能として、冷房で温度設定をした時と暖房で温度設定をした時では、出てくる空気の温度が3~6℃程度違ってくるのだそうです。そのため、こうした温度設定が巣証されています。しかし、暑くなったら上着を脱ぎ、寒いときには上着を着る、というのは子供の頃からおそわってきた当たり前のことですよね。
熱いからといって、クーラーをつけて風邪をひいたり、寒い冬に暖房をたいて半そでで過ごすなんて、よく考えなくてもおかしなことですよね。服装を工夫して冷暖房は控えめに使うようにしましょう。