私たちのまわりには、沢山の物が溢れています。この沢山のものは、資源から出来ていますが、私たちはそのほとんどをゴミとして排出しているのです。
他の国と比べても資源の少ない日本に住みながら、ゴミの排出量はアメリカに続いて世界第2位なんです。
限りある資源使い切ってしまう前に、ゴミを増やさず再利用できる循環型社会へ移行していく必要がありますよね。
ごみの分別をする目的は、ゴミの減少「リデュース(Reduce)」、再利用「リユース(Reuse)」、再資源化「リサイクル(Recycle)」、不要なものは断る「リフューズ(Refuse)」という4つの考え方で、循環型社会を作ることにあります。
この分別の基本となる4つの考え方は、それぞれの頭文字をとって4Rと呼ばれています。
温暖化対策の一環としても、ゴミ処理にかかるエネルギーや温室効果ガスの排出量はかなり多く、分別によるさらなるゴミの削減と新しい資源の確保が必要となっています。
ゴミの分別は、新しいエネルギー資源の宝庫であるとして注目されているのです。
ゴミには、大きく一般廃棄物と産業廃棄物に別けられています。年間5万トン以上にもなる一般廃棄物の中には、私たちが生活している各家庭から出る生ゴミなどの生活系一般廃棄物と会社や事業所などからでる印刷物や梱包剤などの事業系一般廃棄物に別けられています。
この2つのうち、7割近くを占めているのが家庭から出るゴミで、日本人は毎日一人当たり1kgのごミを出して生活していることになります。
また、年間4億t以上も排出される産業廃棄物は処理方法の違いによって20種類程度に別けられています。産業廃棄物の中には、埋め立て処理や高額な処理費用がかかるものも多く、高額な埋め立て処分代や処理料金を払いきれず不法投棄されるものもたくさんあり、そこから有毒物質が出る、生態系を壊す、など大きな問題になっています。
私たちがごみとして排出しているものの中には、資源となる物やまだまだ使うことが出来る物も沢山あります。
今までただのごみとして捨てていたものの中にも、きちんと分別すればまた再利用できるものも多く、ゴミ処理にかかる費用や排出される温室効果ガスを削減するために細かい分別方法やリサイクルに関する法律が沢山出来ています。
しかし、資源になるものでもきちんと分別されていなければゴミになってしまうのです。
回収後のリサイクル工程 | ||
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ビン | ワンウェイビン | 粉砕・カレットから再生ビンやアスファルトなどの原料となる |
リターナブルビン | 洗浄・検査を行い、中身を詰め替えて再利用 | |
ペットボトル | マテリアルリサイクル | 細かく砕き洗浄後、化学処理を行う。ペットボトルや原料の樹脂として再利用する。 |
ケミカルリサイクル | 細かく砕き洗浄後、化学処理を行う。ペットボトルや原料の樹脂として再利用する。 | |
紙 | 紙パック | ラミネート加工された部分を取り除き、トイレットペーパーやティッシュとして再利用 |
雑誌 | 溶かした後印刷されているインクを取り除き、雑誌・新聞・ダンボール・紙製包装として再利用 | |
新聞紙 | インクを取り除いた後トイレットペーパー・ティッシュなどに再生 | |
ダンボール | 再加工されて繊維が使えなくなるまで段ボールに再利用 | |
OA紙 | シュレッダーにかけられていないものは、インク処理・ラミネート処理を行い、トイレットペーパーなどに再利用 | |
その他 | シュレッダーにかけられたものや古紙の中でも何度も再生利用された繊維の短いものは、固定燃料や家畜の敷料、セルロースファイバー、パルプモード(紙製衝撃吸収梱包材)などとして利用される | |
プラスチック | 塩化ビニル | 燃えにくく丈夫だが、レジ袋やラップなどリサイクルされにくい製品が多く、サーマルリサイクルとして利用される以外は再利用できない場合が多い |
ポリプロピレン | 熱に強いため化学薬品で溶かして再利用するケミカルリサイクル、もしくは熱に強いため埋め立てゴミとなる場合が多い | |
ポリエチレン | 卵のパックやビデオテープなど、熱で溶かして再利用するマテリアルリサイクルによってリサイクル。リサイクルされない場合には、サーマルリサイクルもしくはゴミとなる。 | |
低密度ポリエチレン | 持ち帰り用の食器容器などで回収率が低いため埋め立てゴミになる場合がほとんど |
リサイクル可能なプラマークが付いているプラスチック製品は、軽くて丈夫で様々な場面で使われていますが、実際に回収して再利用されている割合が低いためほとんどがゴミとして埋められたり燃やされているのが問題となっています。
プラスチック製品は、土の中で有害な物質だけが溶けでしてしまったり、分解されずに半永久的に河川や海を漂ううちに、カメがクラゲと間違えて食べてしまい絶滅の危機にさらされていたりと様々な問題点があります。
そこで、新しく開発されていのが、生分解性プラスチックです。これは土の中で微生物に分解されて二酸化炭素と水になるというものです。これなら燃焼時の二酸化炭素排出量に比べても少ない量で分解されますし、環境破壊も防ぐことが出来ますよね。
一般廃棄物の中でもかなりの割合を占める生ゴミは、産業廃棄物としてもコンビニやスーパー飲食店などから毎日大量に廃棄されています。
ほとんどの自治体や回収業者は、生ごみを燃やすゴミ・可燃ごみとして処理していますが、水分を多く含む生ごみを燃やすときにはかなりのエネルギーと温室効果ガスを排出します。そこで、生ごみを発酵させて発電できるシステムや、燃えやすい状態に加工してから燃料資源として再利用する仕組み、堆肥化させて有機肥料として使うなどのシステムが開発されています。
そのためには、可燃ごみのなかから生ゴミだけを分別して収集する必要があります。国内の数箇所では、自治体による生ゴミ回収政策が始まっています。