理科の時間に習った二酸化炭素(CO2)は、私たちが普通に息を吐くときに出る気体です。植物が光合成してCO2から酸素(O2)を作り出してくれるという循環機能があるので、地球上が二酸化炭素だらけになることはないと習いました。
しかし、なぜ今二酸化炭素がこんなにも増えているのでしょうか?
二酸化炭素は温暖化にどのような影響を与えているのでしょうか?
私たちは、酸素を含む空気を吸い、二酸化炭素を排出しています。反対に植物や珊瑚は、二酸化炭素を使い光合成を行って酸素を排出することが出来ます。
二酸化炭素はCO2という化学記号の物質で、酸素と炭素が結合してできていて、赤外線を吸収して熱を閉じ込めてしまう性質をもっている温室効果ガスです。
地球上にもともと存在している物質ですが、現在の地球上では、この二酸化炭素を含む炭素のバランスが崩れてしまっていることが温暖化現象の原因になっています。
CO2は、地球温暖化の原因物質として世界中で早急な削減が求められている物質です。
産業・一般生活から排出される温室効果ガスの中でも特に排出量が多いのだが特徴です。
近年多発する異常気象との関係が深いのも、地球上の二酸化炭素の割合が異常に高くなってしまったことが大きく関係しているといわれています。
CO2の温暖化指数は、「1」です。他の気体が地球に熱を閉じ込める効果がどのくらいか、つまり温室効果がどのくらいあるのかを示す「温暖化指数」といいます。
この基準値になっているのが、大気中の温室効果ガスの中で、最も排出量が多く濃度の高いCO2なのです。また、気体によって分解されるのに必要な期間が違っているため、温暖化について考えるときには、1年・10年・100年など一定期間後の温暖化指数も考慮されます。
17世紀後半から18世紀前半の産業革命前、大気中のCO2濃度は280ppm~300ppm以下でしたこれは自然の大気バランスを壊すほどの量ではなく人間が活動することによって増えた排出量はほとんど無いといえます。しかし、産業革命が起こると、世界中での年間排出量は20~30億万トンに一気に増えました。
さらに、産業革命後になると化石燃料などの利用が一気に増え、排出量も100年の間に40億万トンを超えました。現在では、化石資源の枯渇が問題視されるほど使用量は増え、電気やガスによるCO2の排出量は60億万トンほどにもなっています。大気中の二酸化炭素は、350ppmを超えています。
急速に進む地球の温暖化には、地球の持つ自然の気候変の影響もありますが、現在の人間の生活環境から排出される大量のCO2が影響を与えていることは明らかになっています。そのため先進国を始めとする世界各国が集まり、温室効果ガスの削減についての京都会議が行われました。京都会議では、世界中の二酸化炭素を2012年までに現在の5.2%削減することが決められました。そして、各国の排出している二酸化炭素の量、そのほかの温室効果ガスの排出量などから、その国の二酸化炭素削減量というものが定められています。
京都会議の開催国である日本は、2012年までに6%の二酸化炭素削減を目標にしています。
現在の日本では、一人ひとりのエネルギー使用量が非常に高くなっています。温暖化やヒートアイランド現象によって、冷暖房を使う機会も増え、各家庭や個人で所有するエアコンの台数も増えています。
そのため、私たち一人ひとりが毎日使うものからもかなりの二酸化炭素が毎日排出されています。冷暖房の使用を控えたり、温度設定に樹を使うだけでもCO2の排出量を減らすことが出来ます。毎日の生活の中で削減できるところを見つけてみましょう。
(KgCO2) | |
自動車 | 1622.5 |
電気照明・テレビなど | 1655.5 |
冷暖房 | 869 |
給湯 | 687.5 |
ごみ | 269.5 |
上水道 | 269.5 |
調理器具 | 187 |
日本人の一般家庭では、年間に6~10トンのCO2を排出しています。しかし、街の中でよく見かける自動販売機は年間211万トン、コンビには300万トンにもなります。自動販売機もコンビにも、24時間動き続けていますからその電気使用量が高くなるのは当たり前ですよね。
外気が暑い夏でもコンビニや自動販売機の内部は涼しく飲み物を冷やしています。普段なにげなく使っている便利なものですが、これだけのCO2と熱を排出しているのにこんなに沢山必要なのでしょうか?実は、地域で環境を考えて自動販売機を撤廃した地域もあります。
もう一度自分達の周りの環境も見つめなおしてみる必要がありそうですよね。