曇っている日は外で遊んではいけない、といわれたことがある人もいるこま知れません。これは、スモッグが発生すると曇りの日のようにどんよりとして見える場合があるからです。
最近は発生率も減少してきましたが、まだまだ問題点の多い公害の一つです。特に発生しやすい東京などの都市部では、光化学スモッグが発生すると注意報を発令して住民に注意を呼びかけています。
一般的に「スモッグ」と呼ばれているのは、産業発展による環境問題の一つ”光化学スモッグ”による大気汚染のことです。
工場や車から排出される炭化水素や窒素酸化物が、太陽光線に含まれる紫外線と化学反応を起こすことによってオキシダントなどの物質は、人体に大きな影響を与えます。
特に人口が集中する大都市や工場が立ち並ぶ地域で気候条件がそろった場合に発生することが多く、日本ではおもに5月~9月の間の発生率が高くなっています。
光化学スモッグの原因物質は、車の排気ガスや向上から排出される煙に含まれる二酸化窒素などの窒素酸化物と炭化水素です。
これらの物質は、世界中で問題になっている酸性雨や温暖化の原因にもなっている公害物質です。この細かい粒子が大気中に一定濃度異常漂っていると、紫外線と光化学反応を起こし、光化学オキシダントという物質が生まれます。
この光化学オキシダントこそが一般的に「光化学スモッグ」と呼ばれているものです。
晴天で風のほとんど吹かない気温が高くなる春から秋の気候が、スモッグの発生しやすい条件に当てはまります。国内では、光化学オキシダントの計測がおこなわれており、大気中の濃度が0.12PPM以上になると注意報が、0.24PPM以上になると警報が発令されることになっています。
注意報が発令される濃度に達すると、車の使用を自粛する用に呼びかけたり、地域や企業などに原因物質の排出量を削減するように要請する事もあります。
さらに、警報の基準値に達しない用に普段から、地域ごと企業ごとに排出削減目標や基準値が設定されていて、検査機関や継続的な検査を続けることで、発生を抑える対策がとられています。
どんよりと曇った日に、なぜか目がしばしば・ちかちかしたり、のどに痛みや異変を感じたことはありませんか?こういった症状は、光化学オキシダントによる典型的な症状です。特に臭いや味があるわけではないので、発生していることに気づかずにいると呼吸困難や視力にも影響が出てしまう場合があります。
光化学オキシダントが人体に与える影響は大きく、特に深刻だった1970年頃には、小学校で児童が校庭での体育や休み時間中にダメージを受ける件数が多くありました。
日本国内では様々な規制によりスモッグの原因物質と光化学オキシダントの発生を減少させるように対策がとられてきました。しかし、最近急激に産業発展している中国では、かなり深刻な光化学スモッグが発生しており、中国国内でも国民の人体への影響が取り上げられています。
さらに、中国国内で発生した窒素酸化物や炭化水素や光化学オキシダントが、気流の流れ等で日本を含む周辺諸国へも影響が出ていることが大きな問題となっています。
発生条件になりやすい春~秋までの間は、過ごしやすい気候のことが多く出かける事も増えますよね。そこで、出かける前に風の吹き方や気温にも注意してみると事前に対策をとることができます。また、都心部で高い場所から地平線のほうを眺めると、うっすらと黄色をおびたもやがかかっている様に見えることがありますが、これは光化学オキシダントや窒素酸化物などが低い位置に滞っている状態なのです。こういったもやが見える日には注意報の発令に注意し、外で長時間運動をするのは避けた方が良いでしょう。
光化学スモッグの発生しやすい各都市では、地域ごとに発生状況を観測しています。こういった情報は、インターネットでも簡単に調べることが出来ますし、注意報や警報などが発令されるとメールで携帯やパソコンに配信されるサービスを行っている自治体もあります。
一度登録しておけば、発生が観測されるたびに自動的にお知らせしてくれるので、子供を持つ家庭などでは登録しておくのがお勧めです。こういったサービスは、機関や自治体によって登録機関が異なる場合もありますのでチェックしておきましょう。