エアコンや車の冷却装置、冷蔵庫などは、有害ごみとして処分するのも手間がかかりますよね。現在では使用や輸入が禁止されているため、現在では家電やスプレーなどに特定フロンを使うことはできません。
なぜ、こんなに規制されているのでしょうか?
冷却剤として開発された炭素(C)・水素(H)・フッ素(F)が構成する化学物質で、オゾンホールの原因になっているものです。日本では、大気汚染の原因物質して一般的に「フロンガス」という呼び名が定着していますが、もともと冷却材として使用されるフロンガスには、フレオンという商標があります。
この物質は、開発当事には公害物質であるアンモニアに変わる未来の物質だといわれ、もてはやされていました。臭いや味が無く、熱や他の物質と化学反応を起こすことが少ないことから、長い間人間にとっても無害だと思われていました。
しかし、紫外線によって光分解され、地球を紫外線から守ってくれているオゾン層のオゾン(O3)を分解してしまう働きがある有害物質だったのです!
オゾンを分解し、オゾン層を破壊する5種類のフロン類は「特定フロン」と呼ばれています。
これらは、オゾン層保護の為に取り決められたウィーン条約とモントリオール議定書によって、現在は、使用・輸入・製造が禁止されているものです。
しかし、禁止される以前に世界中に広まった特定フロンは、産業の中でも使いやすい物質のため、発展途上国での使用は認められているのが現状です。
名称 | 使用されているもの | 特徴 | |
特定フロンCFC 「クロフルオカーボン」 |
CFC11,12113, 114,115(フロン),R502 |
カーエアコン・冷蔵庫など | モントリオール条約で製造・輸入が禁止。 リサイクル法などによって、回収が義務付けられている。 |
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代替フロンHCFC 「ハイドクロロフルオカーボン」 |
HCFC22, HCFC123など |
エアコン スプレー(清掃用・消化器・ヘアスプレー等) | 特定フロンに比べ、オゾン破壊係数が低いもの。 温室効果が高く、二酸化炭素の10000倍ほどの温暖化係数のものもあるためが、オゾン保護のラベルが付いていることが多いため、消費者にわかりにくい。 |
新代替フロンHFC 「ハイドロフルオロカーボン」 |
HFC32,125,134a,152a, R410A,R407Cなど |
カーエアコン・エアコン・ 冷蔵庫・スプレー類・冷庫など | オゾン破壊・温暖化係数が共に以前に比べかなり低い性質を持つもの。 |
HCFC、HFCといった化学記号であらわされる、オゾン層への影響が少ないのが特徴です。オゾン層を分解する効果の高い「特定フロン」の変わりに使われるなった物質で、現在、日本でも冷蔵庫やエアコンなどの家電製品やスプレー缶に利用される発砲剤して広く使われています。
しかし、特定フロン・代替フロン共に二酸化炭素よりかなり高い温室効果のある物質であることがわかっています。代替フロンは、安全なフロンガス、というイメージがあるかもしれませんが、地球温暖化を促進してしまう温室効果ガスの中でもかなりたちの悪いものなのです。
炭素・水素・フッ素原子で構成されたフロン類には、紫外線による光分解で、塩素ラジカルを放出します。この塩素ラジカルはオゾンと反応して分解してしまいます。さらに、オゾンを分解した時に塩素ラジカルは、一酸化塩素原子と酸素に分解されますが、この一酸化塩素原子が周囲のオゾンと反応して、塩素ラジカルに戻るという、最悪の悪循環をくりかえして、オゾン層を破壊し続けることになるのです。
また、分解された塩素ラジカルは、オゾン層とまた、フロンガス自体が非常に安定している物質のため、オゾン層のある成層圏に到達するまで、放出されたガスのほとんどが分解も変化もすることなくたどり着き、オゾン層に影響を与えることになるのです。つまり、大気中にフロンが放出されると、オゾン層が受けるダメージはその量の何倍にもなるのです。
産業革命以来、人類の抱えてきた環境汚染は、人間の身体にどれだけ悪影響を及ぼすか、と言う事が基準でした。フロンガスは人体に無害であると思われていたため、家電類から産業機器、生活雑貨にいたるまで、様々なものに利用されていました。
しかし、次第にフロンガスの中には、人体にも環境にも非常に有害な影響を与える物質が多く存在することがわかりましたが、フロンガスがオゾン層を破壊していることに気が付いたときには、すでにオゾンホールが出来てしまっていたのです。そのため、温暖化だけでなく、紫外線による健康への影響が深刻となり、オゾンホールが上空に存在するオーストラリアなどでは皮膚がんの率が非常に高くなっています。
フロンガスのオゾン層への影響が非常に深刻な問題として、世界各国でオゾン層保護のための迅速な対応がとられました。しかし、フロンガスにはオゾン層を分解してしまうだけではなく、地球に熱を溜め込んでしまう温室効果も非常に高い物質だったのです。
その温室効果は、二酸化炭素の数千万倍というのですから、温暖化対策としては代替フロンの使用や製造も規制するべきだという声が高まっています。
日本国内では、フロを含む家電などからフロンを適切に処置するための「フロン回収・破壊法」「家電・自動車リサイクル法」によって、現在までに使われてきたフロンガスへの対処を行っています。そのため、今までより不要になったり買い換えるときになったときにお金がかかってしまうようになりました。
しかし、人間が作り出してしまった最悪の循環を生む公害物質をこれ以上放出しないためにも、必要な経費だと考えましょう。
中には、これらの法律を悪用した悪徳業者も存在します。必要以上の金額を請求したり、処理代金をとってフロンを正しくない方法で回収する、もしくは違法に放出させてしまう等の処理方法が問題にうなっています。せっかく環境保護のためにお金を出しても、これでは意味がありません。
どんなものにフロンが使われ、どういった方法で処理されてるか、という知識を身につける事もフロン対策の大切なポイントなのです。
オゾン層破壊指数は低い代替フロンも、高い温室効果がある大気汚染物質です。しかし、オゾン層保護を大々的に掲げて穂湯辞している製品も多いので、よくわからずに購入して使っている場合が多いようです。そのため、フロン類を使用している製品は買わない不買運動が行われていたり、LPガスなどフロン以外の冷却・発砲・洗浄効果のある物質を使っているものも増えています。
一人一人が温室効果・フロン破壊物質を使用していないものを選ぶのも大切です。